海外旅行のホテル選び|フライト時間と立地から考える具体例

これまでの記事では、海外旅行のホテルを選ぶときに、料金や部屋のきれいさだけでなく、立地、チェックイン時間、荷物預かり、帰国日の動線まで考えることが大切だと書いてきました。

ただ、ここまで読んで、

「考えることが多すぎて、かえってホテルを選びにくくなった」

と思われた方もいるかもしれません。

荷物は身軽になっても、頭の中の荷物が増えてしまっては意味がありません。

そこで今回は、実際のフライト時間を想定しながら、どのようにホテルの立地を考え、荷物と行程を組み立てればよいのかを一緒に考えていきます。

例として、東京からロサンゼルスへ向かう旅行を使います。

ホテル名や観光地のランキングを紹介するのではなく、

  • 何時に現地へ到着するのか
  • ホテルには何時頃着くのか
  • 荷物をどこに置くのか
  • 到着日にどこまで動くのか
  • 帰国日は何時に空港へ向かうのか

という順番で考えます。

今回想定するフライト

これまでの記事で取り上げた、羽田空港からロサンゼルスへ向かう昼発・早朝着の便を例にします。

項目想定する内容
出発地羽田空港
出発時刻11時55分
到着地ロサンゼルス国際空港
到着時刻6時25分
飛行時間約10時間30分
到着後の特徴早朝到着。チェックインまで長い
荷物機内持ち込みサイズを基本とする
旅行の目的ロサンゼルス市内観光

ロサンゼルスへは朝6時台に到着します。

入国審査、荷物の受け取り、通信環境の確認、空港から市内への移動を考えると、ホテル周辺へ到着するのは早くても午前9時から10時頃になると考えます。

しかし、一般的なホテルのチェックイン時間は午後です。

仮に15時チェックインなら、ホテルに着いてから部屋に入れるまで、5時間前後空くことになります。

ここで、ホテル選びの違いが到着日の疲れ方に表れます。

まずホテル候補を3つの立地に分ける

ホテルを探すとき、最初から何十軒もの料金や口コミを比較すると迷います。

そこで、まずホテルを立地で大きく3つに分けます。

ホテルの立地メリット注意点
空港周辺到着後すぐ移動しやすく、早朝便にも対応しやすい市内観光には不便
市街地中心部観光・食事・公共交通機関を利用しやすい料金が高くなりやすく、空港から移動が必要
市街地から少し外れた地域安くて静かなホテルを見つけやすい駅や観光地から遠く、車前提になる場合がある

今回の目的は、ロサンゼルス市内の観光です。

そのため、空港周辺のホテルに滞在すると、市内へ向かうたびに移動時間がかかります。

反対に、市街地から大きく外れたホテルは安くても、公共交通機関で動きにくい可能性があります。

この時点では、市街地または公共交通機関を利用しやすい場所を中心に考えるのが自然です。

ただし、単純に「市街地ならどこでも良い」というわけではありません。

到着日の荷物と、帰国日のフライト時間まで見て決めます。

到着日のことだけなら、市街地のホテルが便利

到着日は朝から時間があります。

市街地のホテルを選び、チェックイン前に荷物を預けられるなら、その後は身軽な状態で動けます。

例えば、次のような流れです。

時間行動
6:25ロサンゼルス国際空港に到着
6:25〜8:00頃入国審査・荷物受け取り
8:00〜9:30頃市街地・ホテル方面へ移動
9:30頃ホテルに荷物を預ける
10:00以降朝食、カフェ、ホテル周辺を軽く歩く
15:00頃チェックイン
夕方以降体調に合わせて軽く外出

この流れなら、到着後に大きな荷物を持ったまま市内を歩く必要がありません。

また、ホテル周辺にカフェや飲食店があれば、チェックインまでの時間も過ごしやすくなります。

ここで重要なのは、到着日の午前中から有名観光地を何か所も入れないことです。

機内で十分に眠れていなければ、昼頃から強い眠気が来る可能性があります。

朝は動けたとしても、午後まで同じ体調が続くとは限りません。

そのため、午前中はホテル周辺で過ごし、体調が良ければ候補地を一つ追加する程度にしておきます。

安い郊外ホテルを選んだ場合

次に、市街地から離れているものの、料金が安く、部屋の評価も高いホテルを見つけた場合を考えます。

部屋は広い。
周辺は静か。
中心部のホテルよりかなり安い。

条件だけを見ると、魅力的です。

しかし、空港からホテルへ移動したあと、観光のために再び市街地へ向かう必要があります。

例えば、次のような動きになるかもしれません。

空港
↓
郊外のホテルへ荷物を預けに行く
↓
市街地へ移動
↓
観光
↓
再び郊外のホテルへ戻る

ホテル代は安くても、移動時間と交通費が増えます。

さらに、到着日は睡眠不足の可能性があります。

その状態で、空港、郊外ホテル、市街地と移動を重ねると、ホテル代以上の体力を使うことになります。

レンタカーで移動する旅行や、ホテルで静かに過ごすことが目的なら、このホテルは良い選択です。

しかし、市内観光が目的で公共交通機関を使うなら、安さだけで選ぶと不便になる可能性があります。

安くて良いホテルであることと、自分の旅行に合うホテルであることは別です。

空港周辺のホテルを選んだ場合

空港周辺のホテルは、到着直後の移動が楽です。

長時間フライトのあと、短時間でホテルへ向かえるのは大きなメリットです。

しかし、早朝に到着しても、通常のチェックイン時間まで部屋へ入れない点は変わりません。

荷物を預けられたとしても、その後市街地へ観光に行くなら、空港周辺から改めて移動する必要があります。

そして、夜は再び空港周辺のホテルへ戻ります。

到着日だけを見ると便利ですが、滞在中の市内観光には不便になりやすいです。

一方で、帰国便が早朝なら、最終日のホテルとしては使いやすくなります。

つまり、同じホテルでも、

  • 到着日の宿として便利なのか
  • 滞在中の観光拠点として便利なのか
  • 帰国前日の宿として便利なのか

によって評価が変わります。

ホテルを単体で評価するのではなく、旅程のどこで使うかを見る必要があります。

帰国便の時間も確認する

ここまで到着日の動きからホテルを考えてきました。

しかし、最初のホテルを予約する前に、帰国便の時間も確認します。

例えば、帰国便が昼過ぎであれば、市街地のホテルから朝に空港へ向かう流れを作りやすいと思います。

帰国便ホテルの考え方
早朝発前日は空港周辺のホテルも検討する
昼頃発市街地のホテルから朝に空港へ向かいやすい
夕方発チェックアウト後の荷物と最終日の動線を考える
深夜発荷物預かり、デイユース、空港へ向かう時間を確認する

帰国便が早朝なら、滞在中は市街地に泊まり、最後の1泊だけ空港周辺へ移動する方法もあります。

ホテルを途中で変えるのは面倒に感じるかもしれません。

ただし、荷物が少なければ、この選択もしやすくなります。

反対に、大きなスーツケースを複数持っている場合は、ホテルを移動するだけでも負担になります。

ここでも、荷物の量が旅程の柔軟性に関係します。

今回の条件なら、どのホテルを選ぶか

今回の条件をもう一度整理します。

  • 早朝にロサンゼルスへ到着する
  • 市内観光が目的
  • 公共交通機関やタクシーを使う
  • 荷物はできるだけ少なくする
  • 到着日に予定を詰め込みすぎない

この条件であれば、私は市街地または公共交通機関を使いやすい場所にあるホテルを選びます。

そのうえで、次の条件を確認します。

  1. チェックイン前に荷物を預けられる
  2. 空港からの移動が分かりやすい
  3. 周辺に朝食や休憩を取れる場所がある
  4. 夜でもホテルへ戻りやすい
  5. 帰国日に空港へ向かいやすい
  6. 荷物回収のために大きく遠回りしない

すべてを満たす必要はありません。

今回最も優先したいのは、

到着後に荷物を処理し、無理なく休めること

です。

市街地の中心にある最も安いホテルを探すのではなく、到着日と帰国日の負担を減らせるホテルを選びます。

多少宿泊費が高くなっても、毎日の移動時間やタクシー代が減れば、旅全体では大きな差にならないこともあります。

実際には一つの正解があるわけではない

ここまでの例を読んで、

「自分なら空港周辺のホテルを選ぶ」
「自分なら郊外の安いホテルに泊まる」
「レンタカーを借りるので立地は気にしない」

と思われた方もいるでしょう。

それで問題ありません。

旅行の目的、荷物の量、予算、体力、移動手段によって答えは変わります。

この記事の目的は、正解のホテルを一つ決めることではありません。

ホテルを選ぶ前に、

  • 到着後にどう動くのか
  • 荷物をどうするのか
  • 何を最優先にするのか
  • 帰国日にどう空港へ向かうのか

を具体的に想像することです。

ホテル単体の評価ではなく、旅程に入れたときに使いやすいかを見る。

それが、海外旅行のホテル選びを少し簡単にする方法だと思っています。

最後は、価格やサービスを比較して選ぶ

フライト時間、ホテルの立地、荷物の扱い、到着日と帰国日の動線を整理したら、最後に価格やサービスを比較しながら、具体的なホテルを選んでいきます。

ここまで考えることで、何十軒もあるホテルの中から、今回の旅に合わないものを先に外せます。

そのうえで、

  • 宿泊料金
  • 部屋の広さや設備
  • 口コミ
  • 朝食の有無
  • 荷物預かり
  • アーリーチェックイン
  • ホテルのブランド
  • 会員特典やステータス

などを比較していきます。

もちろん、「このブランドのホテルに泊まりたい」という希望があるなら、それを優先して考えることもあります。

巷では「ホテル修行」と呼ばれる、宿泊実績を重ねてホテルの上級会員資格を獲得する方法があります。

そこまでしてステータスを得る必要があるのか、疑問に思う方もいるでしょう。

ただ、特に海外では、会員ステータスによって受けられるサービスや対応が変わることがあります。

客室のアップグレード。
朝食。
ラウンジの利用。
レイトチェックアウト。
状況によっては、早めに部屋へ案内してもらえることもあります。

日本のホテルに近い水準の安定したサービスを海外でも求める方にとっては、ホテルのブランドやステータスが安心材料になるという意見も理解できます。

私自身も、移動で疲れることが分かっている旅行や、ホテルで快適に過ごしたい旅行では、会員特典を利用できるホテルを選ぶことがあります。

一方で、本当に寝るだけで、ホテルにそれほどお金をかけたくないときには、簡素なホテルやドミトリーを選ぶこともあります。

大切なのは、常に高いホテルを選ぶことでも、常に安さを追求することでもありません。

その旅行で、ホテルに何を求めるかです。

部屋では寝るだけなのか。
長時間フライトのあとに、しっかり休みたいのか。
ホテルで過ごす時間そのものも楽しみたいのか。
立地を優先し、部屋の広さは妥協できるのか。
安心できるサービスにお金を払いたいのか。

この答えによって、選ぶホテルは変わります。

数年に一度の旅行なら、疲れにくさにお金を使う選択もある

欧米への旅行は、近隣の国や国内旅行と比べて、何度も気軽に行けるものではない方も多いと思います。

数年に一度の旅行になることもあるでしょう。

それなりに時間をかけて準備し、航空券を取り、現地で何をするかを考える。

そこまで準備した旅行なら、多少お金を払ってでも、疲れにくく、安心して過ごせる環境を選ぶ価値はあると思います。

もちろん、予算には限りがあります。

高級ホテルに泊まれば、必ず旅行が楽しくなるわけでもありません。

ただ、少し安いという理由だけで不便なホテルを選び、毎日の移動で疲れたり、到着日に休めなかったり、帰国日に慌ただしくなったりすれば、せっかくの旅行で残るのが疲労ばかりになる可能性もあります。

宿泊費の差額だけを見るのではなく、その差額によって、

  • 移動時間を短くできる
  • 荷物を安心して預けられる
  • 空港へ行きやすくなる
  • 到着後に早く休める
  • 朝食やラウンジを利用できる
  • 最終日まで余裕を残せる

のであれば、十分にお金を払う価値があると思います。

旅費を抑えることも大切です。

しかし、旅行の目的は、最も安い行程を完成させることではありません。

新しい場所へ行き、そこで過ごす時間を楽しみ、良い記憶を持って帰ることだと思います。

数年に一度の旅行であれば、それまでに少しずつ予算を準備し、無理のない範囲で快適さにもお金を使う。

そして、できるだけ疲れを残さず、帰国してから「行って良かった」と思える旅にする。

私は、そのようなホテル選びも十分に良い選択だと思っています。

ホテルの正解は、旅行の目的によって変わる

今回の例では、早朝にロサンゼルスへ到着し、市内観光をすることを前提にホテルを考えました。

この条件では、到着後に荷物を預けやすく、観光や食事へ動きやすい立地を優先するという結論になりました。

ただし、ホテルでゆっくり過ごすことが目的なら、郊外の静かなホテルも良い選択です。

レンタカーを使うなら、駅から離れていても問題にならないかもしれません。

ホテルの会員特典を重視するなら、多少立地が変わっても、そのブランドを選ぶ理由があります。

反対に、宿泊は寝るだけと割り切るなら、最低限の条件を満たす安い宿でも十分です。

ホテル選びに、すべての旅行に共通する正解はありません。

大切なのは、価格だけで決める前に、今回の旅行では何を優先し、何なら妥協できるのかを決めることです。

ホテルを単体で評価するのではなく、フライト時間、荷物、観光、移動、帰国日まで含めて考える。

そのうえで、最後に価格とサービスを比較する。

この順番で考えると、自分の旅に合ったホテルを選びやすくなると思います。

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