旅行を詰め込みすぎる人へ|予定を減らすと旅は深くなる
皆さんにとって、旅行とは何でしょうか。
有名観光地をたくさん巡ることでしょうか。
現地でゆっくりリラックスすることでしょうか。
美味しいものを食べることでしょうか。
新しい体験をすることでしょうか。
あるいは、周りが旅行に行っているから、何となく自分も行っているだけでしょうか。
旅行の目的は、人によって違います。
ただ、ひとつ共通して言えることがあります。
帰ってきたときに、体力ゲージがゼロになっている旅行を望む人は、あまりいないのではないでしょうか。
それでも実際には、旅行から帰ってきたときに、ぐったり疲れていることがあります。
その理由は、胸に手を当てて考えると、意外と分かりやすいと思います。
予定を詰め込みすぎている。
事前の情報が足りていない。
移動時間を甘く見ている。
休憩する時間を予定に入れていない。
原因は、ある程度分かっているはずです。
それでも、せっかく行ったのだから、できるだけ多く回らないともったいない。
休みがあまり取れないから、行ける場所は全部行っておきたい。
限られた時間を最大限に使いたい。
そう考えて、気づかないうちに「回ること」ばかりに執着してしまうことがあります。
私は、まずその考え方を一度見直した方がいいと思っています。
貴重な休みを最大限に使う。
一見すると、とても良い考え方に見えます。
ただ、その「最大限」が、ただ予定を詰め込むことになっているなら、少し危険です。
回りきれなければ、また次回行けばいい。
そう言うと、「それはもったいない」と感じる方もいると思います。
しかし私は、急いでたくさん回ることで、見るべきものを見落としてしまう方が、よほどもったいないと考えています。
心に余裕を持って、その場所を見る。
街の空気を感じる。
人の流れを見る。
建物の細部を見る。
少し立ち止まって、自分がどう感じたのかを確かめる。
そういう時間があってこそ、旅は記憶に残るのではないでしょうか。
効率よく回っているつもりでも、それは単に場所を移動しているだけかもしれません。
もちろん、スタンプラリーのように、たくさんの場所を回ること自体が楽しい方もいると思います。
それはそれで、ひとつの旅の形です。
ただ、私自身は、予定をこなすことが旅の目的になってしまうのは避けたいと考えています。
旅行の計画を立てるとき、よくこのように考えることがあります。
この場所で1時間。
移動に30分。
次の場所で1時間。
そのあと食事をして、さらに次の観光地へ行く。
綿密に計画を立てること自体は悪いことではありません。
むしろ、初めて行く場所では、ある程度の準備は必要です。
ただ、その通りに予定をこなすことばかりが目的になると、肝心の旅の中身が薄くなることがあります。
「この場所は1時間で十分」とネットに書いてあった。
「この観光地は30分で見られる」と誰かが言っていた。
そうした情報を参考にすることはできます。
しかし、それはあくまで他人の基準です。
その人にとっては1時間で十分だったとしても、自分にとっても同じとは限りません。
逆に、他人には退屈な場所でも、自分にとっては長くいたい場所かもしれません。
所要時間は、人によって違います。
興味があるものも違います。
歩く速さも違います。
写真を撮る時間も違います。
休憩したくなるタイミングも違います。
だから、初めて行く場所で、完璧なスケジュールを立てることは本来できないと思っています。
一度訪れた場所であれば、ある程度の要領は分かります。
しかし、多くの場合、旅行で訪れるのは初めての場所です。
初めての場所だから不安になり、細かく計画したくなる。
でも、初めての場所だからこそ、計画通りには進まない。
ここに、旅の難しさがあります。
だから私は、あまり綿密な計画を立てすぎないようにしています。
予定をまったく立てないという意味ではありません。
行きたい場所は決める。
移動方法も調べる。
休館日や営業時間も確認する。
ただし、予定を詰め込みすぎない。
行けなかった場所があっても、失敗だと思わない。
その日の体調や天気、街の雰囲気に合わせて、少し変えられる余白を残しておく。
その方が、旅は疲れにくくなります。
そして、結果的に記憶に残る時間も増えると思っています。
旅行は、予定をこなすための作業ではありません。
少なくとも私は、そう考えています。
次の記事では、では実際にどのように予定を組めばよいのか。
どこまで決めて、どこから余白として残すのか。
その考え方を、もう少し具体的に整理していきます。